100本映画

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ヴィンセント・ミネリ(1953)「バンド・ワゴン」

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 50年代初期のミュージカル映画はMGM一人勝ちの時代だったという話をよく耳にしますが、この「バンド・ワゴン」は星の数ほど作られたこの時期のミュージカルの中でもひときわ傑作とされています。数日前に書いた「雨に唄えば」も同時代のMGMの傑作の一つであり、いかにMGMがノっていたのかがわかりますね。

 結論から書きます。めちゃくちゃ面白かったです。MGMのディーツとシュワルツによる名曲の数々はあえて言う必要もないですし、役者もみな魅力的です。トニー役のフレッド・アステア、レスター役オスカー・レヴァント、リリー役ナネット・ファブレイ、ガブリエル役のシド・チャリシーコルドバ役のジャック・ブキャナン。全員すばらしいです。

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 素晴らしさを列挙すればキリがないんですが、なんといっても「ザッツ・エンターテインメント」の素晴らしさたるや!! 当時絶好調だったMGMだからこそこんなタイトルの曲を堂々と作れたんでしょうね。だって想像してみてください。会社でも何でも、「俺が見本を見せてやる」という時に限って失敗してしまうものですよね。それがまったく嫌味を含まずに一つのミュージカルナンバーとして成立させているわけですよ。こうやって書きながら、「ザッツ・エンターテインメント」の素晴らしさを文章にできないもどかしさに悶絶しています。ああ、素晴らしかった。ミュージカル映画かくあるべし、というような映画ですね。

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 この「ザッツ・エンターテインメント」は本作で2回歌われます。ジャックがトニーを「現代版ファウスト」に誘うシーンと、ラストシーン。有名なのは前者ですが、僕はラストシーンにおいてこの曲を使い観客に別れを告げるという演出に痺れました。この曲の最後の最後、上述した5人が「お別れは哀しいけれど、それが舞台。それがエンターテイメント」と歌ってこの映画は終わります。月並みと言ったらそれまでなんですけど、いいフレーズですよねえ。ああ、終わってくれるなと本気で思ってしまいますよ。

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見事でした。