100本映画

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藤田敏八(1981)「スローなブギにしてくれ」

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 8本目。いい映画ですねえ、これ。決して深い内容があるわけではないんですけども、一人の女をめぐる馬鹿な男の物語っていう雰囲気で、よかったです。男の映画ですね、まさしく。

 南佳孝さんの「スローなブギにしてくれ」からこの映画は始まりますが、文句なしですね。完璧です。めちゃくちゃかっこいいです。そして、後半もう一回この曲がかかるんですが、そのシーンまたいいんですよ。バーで岸部一徳が「これでも聴けよ」とかいってこのレコードをかけるんです。冒頭で流れるのはBGMで本人たちには聞こえていないんですけど、ここでは初めて物語の中でこの曲が流れるわけです。そして浅野温子さんが戻ってくると。こういうちょいメタ的な演出って監督が本当にいい音楽だと確信してなきゃできないですからね。素晴らしいです。

 それと、役者もよかった。浅野温子さん、古尾谷雅人さん、山崎努さん。浅野さんなんかこの映画のとき20歳ですよ。それであの演技だからすごいよなあ。

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 ラストシーンについてはいろいろと考察されてるみたいです。確かに車の中で死んでいる女の人の顔は、一瞬カメラに映るんですけど誰だかはっきりしない。「あの溺死体は浅野温子だ」という意見もあるみたいですけど、僕はそうではないと思います。中盤、ムスタング浅野温子と二人で旅行に行く途中、「崖から落ちれば一巻の終わりだ」と、崖に向かって車のスピードを上げていくシーンで、落ちるぎりぎりで浅野温子に「やめて!!」と止められる、というのがありました。この時は浅野温子がいたので落ちることはなかったんですが、彼女が彼のもとから去ってしまったラスト、彼が新しく見つけた”猫”は彼を止めてくれなかったんでしょうね。そして彼はもう二度と”猫”を得ることがないと。そんなことも示唆していると思いました。

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この時ムスタングは本当に死ぬつもりだったんだろうか

 あと、僕はこの映画観ながら「サタデーナイトフィーバー」と共通点があるなと。なぜかとはまだ言葉にできませんが、なんとなく。