100本映画

100本映画関係の記事を書くまでやります

今だから観たい!『網走番外地』

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作品情報

1965/92分
監督、脚本: 石井輝男
出演: 高倉健丹波哲郎田中邦衛南原宏治嵐寛寿郎、以下略

 

あらすじ

北海道・網走刑務所に服役中のヤクザ橘真一(高倉健)は、母恋しさゆえに仲間と手錠につながれたままの脱走を謀り、ふたりで冬の雪原をさまよい続ける…。
高倉健の人気を不動のものとした、石井輝男監督による大ヒット・アクション映画。そもそもは2本立映画の添え物として製作されたにもかかわらず、メイン作品を食う評判となって急きょ続編が製作され、いつしか東映の屋台骨を支える大ヒット・シリーズとして正編が10本、その後も監督を変えての新シリーズ8本が作られている。(以上、Amazonより。)

 

予告編

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白黒映画だからこそ映える雪景色


舞台は冬の北海道。一歩入り込めば腰の高さまで埋まるほど深く積もった雪に囲まれながら、受刑者たちが彼らなりのやり方で過ごす様子を、若き日の高倉健を主役に丹波哲郎南原宏治田中邦衛、嵐勘十郎といった面々がわきを固め、ときにコミカルに、ときにシリアスに描いた作品です。この映画が撮影された当時は、すでにカラーで映画が取られていたものの、会社の命令で白黒で”撮らされた”らしいのですが、それが雪の白さと受刑者たちの薄汚さを際立たせる効果を生み出し、作品に独特の雰囲気を与えています。この映画がヒットしたため『網走…』はシリーズ化するのですが、個人的にこの映画が一番好きです。

 

画は最高! だけどストーリーは…


上にも書いたとおり、僕はこの映画の白黒映画ならではの雰囲気が好きなんですが、橘(高倉健)の馬鹿さがどうも好きになれないんですよね…。この橘って男は本当に馬鹿なんですよ! 作中で妻木(丹波哲郎)も叫んでますけどね。いくら故郷の母親が死にかけてるからとはいえ、あと半年で出所なんだからおとなしくやってればいいんですよ。いくら脱獄の主犯である権田と手錠で繋がれていたとはいえ、抵抗する余地はいくらでもあったはずですからね。結局橘が妻木に捕まってしまいますが、ラストシーンを観るに妻木は橘が脱走した件を許した感じになってましたね。ホントに丹波哲郎は器の広い男です。


完成度の高い脱獄エンターテイメント!


なんだかんだ言って、雪が降りしきる中このクオリティの映画を撮ったというのは脱帽ですよね! ストーリーこそハリウッドの超名作『手錠のままの脱獄』(1958)から拝借していますが、出演陣の豪華さや所々で流れる「網走番外地」がなんとも言えないいい味を作品にもたらしているところなんか僕は大好きですね。白黒だからといって躊躇せずに、この完成度の高い脱獄エンターテイメントを是非一度観ていただきたいです!

 

今だからこそ観たい『キングコング対ゴジラ』

作品情報
1962/93分
監督: 本多猪四郎(本編)、円谷英二(特撮)
脚本: 関沢新一
 
あらすじ
日本のテレビ局の思惑で、南海の孤島ファロから連れてこられるキングコング。そして、北極の氷が解けて蘇ったゴジラ。やがて両者は日本の地で衝突し、壮大な闘いがくり広げられる。
ゴジラシリーズの第3作で、初のカラーシネマスコープ作品だ。本作では、特撮監督の円谷英二が多大な影響を受けた、アメリカ映画を代表するモンスター、キングコングが登場。日米怪獣対決を実現させているのがポイント。
監督の本多猪四郎は、全編でコミカルな人物描写をほどこし、ダイナミックな怪獣バトルとのメリハリをつけながら、超一流のエンタテイメントを実現させている。伊福部昭作曲による、エキゾチックな南洋秘境音楽の数々もすばらしい。東宝創立30周年記念作品。(以上、Amazonより。)
 
予告編

 

踊る!踊る!踊る! 

鑑賞後、脳裏に焼き付いて離れないのが、ファロ島の原住民たちの執拗になが~い儀式のダンス。雷が降るとファロ島で「魔神」と恐れられるキングコングが暴れだすため、彼らはキングコングを鎮めようと踊り始めます。また、ヤマタノオロチのオマージュなのでしょうか、キングコングに眠り薬が入った赤い汁をのませる原住民。薬が効きはじめるとまた彼らは踊り始めます。かなり長時間、それも太鼓でドンドンやっているわけですから、ウトウトしているキングコングが起きてしまうんじゃないだろうかと若干ヒヤヒヤしながらも、こっちは踊りの長さにイライラ。体感で10分位原住民たちが踊った後、日本近海まで連れてこられるまで結局キングコングは目を覚まさしませんでした。何がどうなっているのかはわからないんですが、あの赤い眠り薬と執拗なダンスの間には何かしらの関係があるんでしょう。とにかく、あきらかに日本人が顔を黒塗りしてるだけの”原住民たち”のなんともいえないダンスに注目していただきたいです! 

 

ああ、哀れなキングコング

この映画の主役は、言うまでもなくキングコングです。東宝アメリカの配給会社RKOとタッグを組み、東宝ゴジラRKOキングコングとを戦わせようという、いわば日米怪獣頂上決戦。薬で眠らされた後イカダで日本まで連れてこられたキングコングは、本作では完全に悪役のゴジラと戦うことになります。ファロ島で「魔神」と言われながらも島を襲う巨大だこを退治してくれたり、電車の中から女性を助け出したりする心優しい怪獣だったのに、急に見知らぬ土地でゴジラと戦うハメになるなんて、本当に哀れですよ…

 

 怪獣対決映画の嚆矢、『ゴジラキングコング

前作までのゴジラは科学技術の進歩に対する問題提起がテーマにありましたが、本作では強い怪獣同士の対決というところがメインになっています。そして、次のシリーズ作品が『ゴジラモスラ』になるということを考えると、本作は対決路線の第一作ということになるんでしょうね。欲を言えばもう少しゴジラキングコングの対決シーンが長くても良かったんじゃないかなと思いますが、それでも十分に楽しめる作品になっていると思います!

今だからこそ観たい!『悪魔のいけにえ』(1974)

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作品情報
1974/83分
監督:トビー・フーバー
脚本:キム・ヘンケル、トビー・フーバー
出演:マリリン・バーンズ、アレン・ダンジガー、ポール・A・パーテイン、ウィリアム・ヴェイル、テリー・マクミン、以下略
 
あらすじ
1973年8月18日。真夏のテキサスを5人の若者を乗せて走るワゴン車。周辺では墓荒らしが多発していて、遺体が盗まれるという怪事件が続いていた。フランクリンとサリーは、自分達の祖父の墓が無事かを確認する為、サリーの恋人ジェリー、友人のカークとその恋人パムと一緒にドライブ旅行をしていた。 途中、乗せたヒッチハイカーの男に襲われるハプニングが発生。車を停めて男を降ろすが、これはこの後彼らに降りかかる悲劇の始まりに過ぎなかった。(以上Amazonより。)

 

予告編

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『悪魔』要素ってどこ?
いつものように僕は前知識一切なく、あらすじも見ずにこの映画を観ました。何となくどこかで『悪魔のいけにえ』という映画が存在するということや、それが怖い映画だということは知っていたので「オカルティックな儀式が行われる集団に殺され、生贄にされる」ような映画だと思っていたら、完全に裏切られてしまいました。そもそもこの映画の原題は「The Texas Chain Saw Massacre」。直訳すると「テキサス住みのチェーンソー無作為殺人鬼」となります。オカルト要素とか一切ない純粋なホラー映画だったんですね。

 

しかし、決して色褪せない
純粋なホラー映画ということがわかると、この映画が制作されたのが1974年ということも相まって改めて本当に価値のある映画だなと。確かに、ナイフがなくなったことの意味とか、人の家に勝手に入ろうとしたのかとか、謎がはっきりしていない部分は多いです。しかし、急に飛び出してびっくりさせるだけではなく、5人の中の唯一の生き残りであったサリーの途切れない叫び声や、クローズアップによってこっちの不安を煽りまくるような撮り方は今観ても決して色褪せずにハラハラさせてくれます。

 

知らない人の家に勝手に入るな!
日本も最近物騒ですからね。本作『悪魔…』のサリーたちのようにならないためにはどうすればいいのか? それは「ノックしても誰も出てこなかったら潔く諦めましょう」。気配がするからって勝手に人の家の中に入ったらだめですよ。そりゃレザーフェイスって怒りますよ。「知らない人の家には勝手に入るな!」それと、「人にナイフを貸すな!」しっかり心に留めておきましょう。
 
 

今だからこそ観たい!『モーターサイクル・ダイアリーズ』

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作品情報

2004/125分

原作:エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナ『モーターサイクル南米旅行日記』
監督:ウォルター・サレス
脚本:ホセ・リベーラ
出演:ガエル・ガルシア・ベルナルロドリゴ・デ・ラ・セルナ、以下略
 
あらすじ
23歳の医学生エルネストは、親友アルベルトとともに中古のおんぼろバイクに駆(の)って南米大陸を縦断する冒険の旅に出る。それは金も、泊まるあてもなく、好奇心のままに10,000キロを走破する無鉄砲な計画だった。 のちに親しみを込めて“チェ”と呼ばれ、世界中から愛される20世紀最大の美しきイコンとなった青年の真実の物語。(以上Amazonより。)
予告編
モーターサイクル・ダイアリーズ』なのに…
騙されました…。バイクといえば僕は『イージー・ライダー』が大好きなので、バイクが中心となるイカした映画なのかなと思って見ていたら、ちょうど一時間くらいのところで彼らは完全にバイクとおさらばしてしまいます。「『モーターサイクルダイアリーズ』なのにぜんぜんモーターサイクルしてねえじゃん」とそこでだいぶテンションが下がってしまったんですが、最後まで観てみると、あそこでバイクが壊れてしまった意味がわかりました。それにはきちんと意味があり、この映画はただのバイクでドライブ映画じゃなかったんです。
バイクは”過去の象徴”
後でも書きますが、やはりこの映画のメインはエルネストです。ですので、バイクとエルネストとの関係で考えると、バイクで移動していたときまではエルネストは自己中心的な考え方でした。それは愛する女性の家に何日も泊まっていたり、バイクの修理屋の親父の嫁さんに手を出したり…。人間的に未熟な面が強調されて描かれていました。しかし、バイクを失ってからの彼はまるでイエス・キリストのように南米各地を歩き回り、ブエノス・アイレスでは決して経験することのできなかった現地人の苦しみ、痛み、貧困…。そういったものと直接触れ合っていきます。「国境で別れているだけで皆同じ南米大陸で暮らすもの」。彼にとって南米とは力強く、誇り高く、決して支配される存在ではないもの。だが、様々な理由で誇り高い南米が失われつつある。この旅の中で彼はあることを決心して、映画は終了します。つまり、あのバイクを失ったことは誇りを取り戻す決心と、今まで踏みにじられてきた南米の過去と決別する覚悟を表していたということなんです。
エルネスト=チェ・ゲバラなんて知らなかったぞ!
基本的に僕は映画を観る前にあらすじを観ない人間なので「バイク旅で一歩成長した青年を撮った映画」くらいの印象だったんですが、この文章書くために調べてみたらエルネストがチェ・ゲバラだということを知って、はじめてきちんとこの映画を理解できました。チェ・ゲバラが革命を起こした人だということは知っていても、革命を起こすまでに彼にどういうことがあったのかを知ることのできる映画ですので、彼に興味がある人もそうでない人も一度見てみることをお勧めします。

今だから観たい‼!『ロード・オブ・ザ・リング』

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作品情報

2001/178分

原作:J・R・R・トールキン指輪物語
あらすじ
舞台は、遥か昔の中つ国。闇の力を秘めた指輪を手にしたホビット族のフロドをはじめとする9人の旅の仲間は、指輪を狙う悪の冥王サウロンの追手から逃れて、指輪を破壊する為に息をつかせぬ壮大な戦いのドラマを繰り広げる。そしてこの冒険は、かつてない感動のクライマックスへの導かれる…。(以上Amazonより。) 
予告編
ロード・オブ・ザ・リング』と『ハリー・ポッター
僕がちょうど物心つき始めた時、すでに「ファンタジー魔法映画」の派閥は大きく二つに分かれていたと記憶しています。それは、『ハリー・ポッター』シリーズと、『ロード…』シリーズ。僕は理由もなく『ハリー…』派だったので、『ロード…』シリーズは一切観ずにこれまで来たんですが、周りの同世代(20↓)に聞いてみても意外とこの映画を知らない人が多かったんですね。不思議だったんですけども、今回初めて観て、『ハリー…』と『ロード…』の支持層が違う理由がはっきりわかりました。
まずは『ロード・オブ・ザ・リング』を楽しむポイント
『ロード…』を楽しむポイントって、人間、ホビット、エルフ、ドワーフ、それぞれの民族同士のせめぎあいなんですね。指輪を得ることで自分たちの民族は強くなることができるという「欲望」。そして、その欲望の塊のような指輪を持っているのが一番弱いホビット族。その気になればすぐに殺して指輪を得ることができる。だけどやらない。それをやってしまったら指輪を作った冥王サウロンの思うツボだから。特に人間なんかは冒頭で”彼らは何よりも権力を欲する種族”とか言われちゃってますからね。民族の秘密会議のところでも欲望丸出しで指輪を狙ってましたから。この映画にはわれわれ人間に対する戒めみたいな意味も込められているわけです。そんな人間だからこそ、指輪をめぐる物語がより面白く理解できるというわけです。
 
主人公は「指輪」⁉
では、本題である『ハリー…』と『ロード…』の支持層が違う理由ですが、それは主人公が人間か物かというところにあります。『ハリー…』はハリー・ポッターという一人の人間を通して映画の世界を体験するので、スッと映画の世界に入り込むことができます。一方、『ロード…』は確かに指輪を持ってしまったホビット族のブロド・バギンズをメインに撮られてはいますが、あくまでもカギとなるのは指輪です。僕たちは指輪を通して人物の心の揺れであったり、覚悟であったり、そういったものを感じ取るわけですから、『ハリー…』のときとは違って、より一歩引いたところから映画を観る構図になります。そして、この「指輪を通して作品を観る」ことにより『ロード…』の歴史が大きく動く様子を、ある特定の視点からではなく客観的に見ることができる効果を与えることになるわけです。ただ、それぞれの指輪に対する思いが違いますから、そこら辺はいちいち自分で読み取ってあげる必要があるわけです。それができる人は楽しめるし、できない人は『ハリー…』が好きになるんでしょうね。だから、どっちも好きっていう人レアケースだと思いますよ。
 
だからこそ頭を空っぽにして観よう!
まあ、この映画3時間くらいありますから、頭空っぽにしてみるのが正解だと思いますよ、やっぱり。映画をより分かろうとして頭を使うのもいいですが、さすがに3時間ともなると疲れちゃいますからね。ガンダルフってダンブルドアとキャラかぶってんじゃん」とかツッコミながらが一番楽しいこういう映画の見方なのかなと思います。

今だからこそ観たい『ファイト・クラブ』!

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作品情報
1999/139分
脚本:ジム・ウォールス
出演:エドワード・ノートンブラッド・ピット、ヘレナ・ボナム=カーター、以下略
あらすじ
不眠症に悩む若きエリートのジャック。彼の空虚な生活は謎の男、タイラーと出会ってから一変する。自宅が火事になり、焼け出されたジャックはタイラーの家へ居候することに。「お互いに殴り合う」というファイトにはまっていく二人のもとに、ファイト目当ての男たちが集いあうようになる。そして秘密組織"ファイト・クラブ"がつくられた!(以上、Amazonより。)
予告編
ポップなポスターの絵とは真逆のじっとりした映画
デヴィッド・フィンチャー監督は前作『SE7EN』において、人のつながりが希薄になった現代社会に対するアンチテーゼ的な映画を撮っています。『SE7EN』は終始画面が重いというか、暗いというか。じっとりとした雰囲気なんですが、今回のこの『ファイト・クラブ』も、ポスターのポップな感じと違って『SE7EN』以上にじっとりとしています。
「寝ろよ!!」(ネタバレ含みます)
前作が前作ですので、素直にこの『ファイト・クラブ』を現代社会に対するアンチテーゼ的映画と読み解くのであれば、監督が言いたいことはものすごくわかりやすいです。それは、
「ちゃんと寝ろよ!!」
っていうこと。シンプルです。
寝ないからパンダみたいなクマができるし、病気でもないのに「終活のつどい」みたいなところに通うし、二重人格者になっちゃうわけです。ブラッド・ピッドが幻覚として表れて、一緒に遊んでくれたり、相談に乗ってくれたりするんだったらサイコーでしょうけど、そうじゃなかったですからね。そのままピッドは「ファイト・クラブ」っていうヤバい奴らの軍隊作っちゃいますから。ノートンも体ボロッボロになるはずですよ。絶対友達になりたくないやつですよね。
まとめ
個人的にはもう少し短くてもよかったかなと思うんですけども、ノートンもブラピもヘレナも、主要登場人物の役者さんがみんな役にドはまりしてたので、作品としては最高の出来なのかなと思いました。
 

今だからこそ観たい『アメリカンビューティー』

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作品情報
1999/122分
脚本:アラン・ボール
あらすじ
40歳を過ぎた広告マンのレスター・バーナムと上昇志向たっぷりの妻キャロリン。彼らの家庭生活に潜む歪んだ真実が徐々に暴かれていく。妻は夫を憎み、娘のジェーンは父親を軽蔑している。そして会社の上司はレスターにリストラによる解雇を告げる。そんな毎日に嫌気が差したレスターは、人生の方向転換を図る。しかし、自由と幸せを求めるレスターを待ち受けていたのは、あまりにも高価な代償だった。(以上、Amazonより。)
予告編
登場人物全員狂人⁉ 
不動産王と不倫する妻。長年勤めた会社をリストラされハンバーガーショップでバイトする夫。自分の体にコンプレックスを持つ娘。その娘の友達でモデル志望で見栄っ張りなチアガール。麻薬の密売人で盗撮癖がある隣の家の青年。その父親で元軍人のゲイ。この映画の主要な登場人物は、みなどこか奇妙であり、自分にない”美”を追い求めています。主要なストーリーこそ、レスター(ケビン・スペイシー)がリストラされたのを機に以前自分が経験した”アメリカの美”を追い求めるというものですが、この映画を注意深く観てみると主要人物が何かしら自分にないものを追い求めていることがわかります。
アメリカの美”と”死” 
映画のところどころで醸し出される”死”。たとえば、冒頭にある死を予告するナレーション、鳥の死骸、凍死したホームレスの話、ラストシーン…。”美しさ”と”死”によって編み出されるこの映画は、まるで「みんなが追い求める”アメリカの美”は虚構だぞ!」ということを提言しているように思えませんか? たまに差し込まれるコメディ要素も”アメリカの美”というものを笑い飛ばしている、そんなふうに聞こえてきます。
アメリカンビューティー』はアーモンドグリコだ!
まあ、上のように書いてはみたんですけども、社会批判映画っていう視点だけでみる必要はないですよ! 僕は今回前知識一切なしで観たんですけど、下ネタ満載ですし、音楽も「古き良き70年代アメリカ」っていうノリノリの選曲でしたし。それと、ラストシーンでレスターが笑顔のまま死んでいるところとか見ると、最期に彼が本当に求めていたものに気づけたからよかったじゃないかという解釈もできましたね。一つで二度楽しめる、まるでアーモンドグリコのような映画でした。

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「一粒で二度おいしい」